CB400SuperFour Ver.Sについて

まずCB400SFとは

1992.4にホンダが、“次代をになうホンダのネイキッド・ロードスポーツはどうあるべきか”をテーマに徹底 的に追求し、バイク本来の普遍的な魅力を全面に押し出し、セクシー&ワイルドなフォルムと機能的なスタイ ルを融和させ、基本に忠実なマテリアルを次代にふさわしい設計思想で磨き上げたネイキッド・ロードスポ ーツバイクでである。
開発名は『PROJECT BIG-1』。ロードスポーツに必要とされる運動性能はもちろんのこと、乗る人にやさしい ユーティリティ、乗る人を魅了するセクシー&ワイルドなスタイリングを有する後に「名車」として 語り継がれるであろうネイキッドである。
“思いのままに”“あるがままに”“感じるままに”
磨きをかけたのは“感動性能”です。

CB400SFの系譜

マイナーチェンジなどでカラーバリエーションが増えたりしたが機能的に大別すると次のようになる。
わからない人が見てもすべて同じバイクにみえるんだろうな。
CB400Super Four(1992.4)
SuperFourはここから始まりました。すべてのスーフォアの原点ですね。(厳密に言うと違うのかも?)
CB400SFバージョンR(1995.3)
従来SFは「スムーズ&スマート」。Ver.Rは「エキサイティング」なモデルとして当時は平行して販売されていた。
CB400SFバージョンS(1995.3)
従来のスタンダードSFとVer.Rを高次元で融合させたVer.S。私が所有するバイクです。
CB400SFバージョンS(1996.11)
名は同じであってもかなりのマイナーチェンジが施された。メータ表示色変更(赤)、一体成型リアカウル、ブレンボ社製ブレーキ等…
CB400SF(現行)
1999にスーフォアはフルモデルチェンジを行う。形は似てるけれど全然違う。すべてのパーツが変更された。HYPER V-TEC搭載。現在に至る…

Ver.Sはどう違うのか?


やっと私が本当に書きたいテーマにきた。Super FourにバージョンSがつくとどうなるのか。そこを説明したいと思います。ちょっと自意識過剰になりそうなのでご勘弁ください。
先にも述べたように「Ver.S」とはスタンダードモデルが持つ高い質感とバージョンRが持つ軽快な走りを融合させたモデルである。

power-unit


スタンダードモデルの直列4気筒エンジンをベースに新たにスロットル開度に連動して最適な点火時期を供給するPGM-IGコントロールシステム(電子制御点火システム)の採用や吸・排気系の変更などが行われている。
バルブタイミングとバルブスプリングのバネレートの変更によって、出力ピークの回転数をCB400 SUPER FOURと比較して1,000rpm上方に設定することで、一層幅広いパワーバンドとするとともに、中・高回転域での出力特性を向上。
排気系は、CB400 SUPER FOURの4-1集合に対して、排気慣性を利用した180°集合の4-2-1タイプとするとともに、エキゾーストパイプの口元へ連通管を新設し、さらに、ボリュームアップされたアルミサイレンサーの採用とあいまって、エキサイティングな出力特性を実現。
吸気系は、CB400 SUPER FOURに対して、#2と#3のエアファンネルの長さを変更して排気系とのマッチングを図ると同時に、キャブレターセッティングの変更とあいまって、低回転域から高回転域に至る幅広い回転域で、スムーズで痛快なスロットルレスポンスとリニアリティを実現。
点火系は、エンジン回転数とスロットル開度、スロットルの区間移動速度をもとに最適な点火時期を連続的にコントロールするPGM-IGコントロールシステムを新たに採用。さらにプログラミングされた点火時期マップも出力特性の変更に合わせて最適化することによって、パーシャル域からのトランジェント出力の大幅な向上を実現。
出力特性図PGM−イグニッションマップ
出力特性の変更に合わせて、ドリブンスプロケットを42丁から45丁に変更することで、走行時の後輪駆動力をさらに向上させ、スロットル操作にリニアな加速フィーリングと施回性を実現。
駆動力線図 エンジン外観を艶ありの黒とする事で高級感と精悍さ、エンジンの存在感を演出している。

フレーム・足回り


ディメンションは、サスペンションのハードセッティングに応じて変更。さらにフレームは、CB400 SUPER FOURをベースにしながら、フロントエンジンハンガーの車体側を左右に連結するクロスパイプを追加することによって、エンジンとフレームの一体感を高め、ねじり剛性をCB400 SUPER FOURと比べて10%アップしている。
新たに採用した対向4ポットキャリパーは、従来のピンスライドキャリパーに対し、ブレーキング時の可動部(マス)を少なくすることが可能となり、初期レスポンス、リニアリティの向上がなされている。 また、油圧レシオの最適化、ブレーキホース材質の変更によって、入力に対する効力のみにとどまらず、ダイレクト感に富んだ、感性にマッチした自然なレバーストローク感・反力感が実現されている。
フロントブレーキ効力比較
ニュー・フローティングディスクの採用。 一般的にフローティングディスクは、温度変化によるディスクプレートの反りを少なくするとともに、レバータッチや遊びを安定させる効果があります。しかしこのシステムは、ローターを自由に膨張・収縮可能な構造とする必要(その究極の構造がレーシングマシンのブレーキシステム)があるため、これを一般市販車に採用する場合、長期間にわたる耐久性の向上や、ブレーキング時の打音の減少等を図る必要があります。 そこで今回は、従来システムに対し、フローティングピンの構造を変更することによって、セット荷重をより適切な値で安定させることが可能となり、耐久性の向上と反りの減少を両立させました。
ニュー・フローティングディスク
高μレジンモールドパッドの採用。 一般市販車のブレーキシステムには、晴天から雨天、市街地走行(低速・低温・低減速度)からワインディングロード(高速・高温・高減速度)まで、幅広い走行条件下における負荷の変化がブレーキパッドに求められます。この負荷の変化量はレーシングマシンと比較して一般市販車の方が広範囲に求められます。「CB400 SUPER FOUR バージョンS」においては、NRで採用した高μレジンモールドパッドを採用することで、温度変化や速度変化等、刻々と変化する状況に対し、安定した高いμ特性を発揮し、穏やかでフラットな制動感が得られるブレーキシステムを実現しています。
精悍なニューカラーコンビネーションの採用。 「CB400 SUPER FOUR バージョンS」の精悍なイメージを強調するため、足廻り各部のカラーコンビネーションにも徹底したこだわりを注ぎ込みました。 具体的には、前・後のブレーキキャリパーにマグゴールドの表面処理を施すとともに、フロントディスクハブを従来のゴールドからブラックに変更。 また、リアサスペンションについても、クッションスプリングアジャスター部にアルマイト処理を施したアルミ鍛造製のカバーを追加するとともに、ブラック塗装のスプリングの採用や、サブタンクのラベル変更を施しました。 さらに、ドライブチェーンには、高級感を演出するゴールドチェーンを新採用するとともに、前・後ホイールを艶ありブラック塗装とするなど、より精悍な足廻りを演出しています。

車体装備


ライダーが走行感覚をダイレクトに感じる部分の一つであるハンドルグリップラバーの形状と表面のパターンを一新し、ハンドリング感覚に優れ、手にフィットしたものとしています。
また、ハンドルグリップエンドにはクロームメッキを施し、高級感を演出しています。
さらに、高級感と精悍さを両立させるために各パーツの色調変更とマーク類を変更。タンクマーク、サイドカバーマークはクロームメッキの立体エンブレムとし高品位仕上げとしています。
シート表皮は、従来の一枚貼に対し、上面と側面のシボを変更した2枚貼とし、質感の向上を図っています。
ステップホルダーは、表面処理を艶消し黒とし、精悍さを演出しています。
CB400 SUPER FOUR/バージョンS/バージョンR
主要装備比較
CB400 SUPER FOURスタンダードバージョンSバージョンR
ヘッドライト丸目角目
ビキニカウル無し有り
メーター3眼タイプ2眼タイプ
トップブリッジバフ仕上げ黒塗装
スロットルセンサー無し有り
メインスタンド有り無し
サイレンサーステンレスメガフォンアルミ別体
フロントブレーキ2ポット4ポット2ポット
ゴールドチェーン××
チェーンケースステンレス樹脂